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えたきしょう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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依他起性

paratantra-svabhāva (S) gshan gyi dbaṇgi ṇo bo ñid (T) 別名:依他性(旧訳)

 縁起によって生じ、縁起によって滅するもの。
 唯識でいう百法のうち、6無為を除く有為法のことをいう。

 依他起自性ともいう。三つの存在のありよう、すなわち、三性(遍計所執性・依他起性・円成実性)の一つ。
 依他起とは、それまでの縁起という概念に対して「唯識」が造った表現で、他の力、すなわち、によって生じたものをいい、現象的存在(有為)すべてをいう。あるいは、「こころ」(分別虚妄分別などとよばれるもの)すべてをいう。それは、魔術の現象(幻事)のように、有るようで実際には無い存在、すなわち仮に有る存在であるから、その存在性を仮有という。

 性・自性にあたるスバヴァーバ(svabhāva)をラクシャナ(lakṣaṇa)に置き換えて依他起相という場合がある。

 依他起自性者、謂、衆縁生他力所起諸法自性、非自然有、故説無性。(瑜伽師地論64、T30・656c)
 云何諸法依他起相。謂、一切法縁生自性。則此有故彼有、此生故彼生。謂、無明縁行、乃至招集純大苦蘊。(解深密経2,T16-693a)
 心心所及所変現、衆縁生故、如幻事等、非有似有、誑惑愚夫、一切皆名依他起性。〔成唯識論8、T31-46c〕