がき

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餓鬼

preta प्रॆत (S)

サンスクリット語の意味は「死せる者」「逝きし者」と言う意味で、ヒンドゥー教では、死後一年たって祖霊の仲間入りをする儀礼が行われるが、それまでの死霊を「प्रॆत」と呼ぶ。その一年間、毎月供物を供えて儀礼を行わなければ、その後も祖霊になれず、亡霊となると考えられている。
中国から日本では、有縁無縁の霊魂への供養をする施餓鬼が重視された。

大智度論の説明

 鬼に二種あり、弊鬼と餓鬼となり。弊鬼は天の如く楽を受く。但し餓鬼と同住し、即ち其の主となる。餓鬼の腹は山谷の如く、咽は針身の如し。唯だ三事あり、黒皮と筋と骨となり。無数百歳飲食の名を聞かず。何に況んや見ることを得んや。復だ鬼あり、火口より出づ。飛蛾、火に投ぜば以って飲食と為す。糞、涕唾、膿血、洗器の遺余を食するあり。或るいは祭祀を得、或るいは産生不浄を食す。是の如き等の種々の餓鬼あり。〔大智度論30〕

正法念処経の説明

 一切の餓鬼は皆、慳貪・嫉妬の因縁の為めに、彼の処に生じ、種種の心を以って、種種の業を作る。〔正法念処経16,T17,92a-b〕

と述べて、鑊身餓鬼、針口餓鬼、食吐餓鬼等の36種の餓鬼の名を列記する。

六道の餓鬼

 仏教では、死者の霊ではなく、六道の一つである餓鬼道の住人を呼ぶことが多い。餓鬼道は、地獄の上、畜生の下に位置しているとされ、生前に嫉妬深かったり、モノ惜しみが激しかったり、むさぼりの心が強かった人間が赴くとされる。
餓鬼の生活は様々に描写されているが、飲食物が得られない飢餓状態を表現していることが多く共通している。また、乞食や窮民の姿をビジュアライズされている場合も多い。インドでも、僧院の壁画に餓鬼世界など六道世界が描かれており、因果応報を諭している。日本でも、餓鬼草紙などのように六道絵十界図の中に餓鬼が描写されている。

説話の中の餓鬼

盂蘭盆の由来を説く「目連救母説話」が、中国から日本に広く伝わって、餓鬼道に堕ちた者の状態や、供養によってその者が救われるとされている。

子供を餓鬼と呼ぶ由来

子供たちを卑しめて「餓鬼」と呼ぶのは、餓鬼道の住人が食べ物をむさぼり欲しがることからの呼び名である。

障子の骨

障子の骨のことを「餓鬼骨」と呼ぶことがある。これは、おそらく障子の骨が餓鬼の骨のように細いことから呼ばれたものであろう。