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がたぴし

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

我他彼此

がたひし」とも読む。

 我(自己)と他(外物)、彼(かれ)と此(これ)とが対立衝突して、闘争葛藤の絶えないこと。同義の類語に「自他彼此」(じたひし)がある。

我他彼此の分別によりて,流転生死の凡夫たり    〔沙石集(10本,5)〕
広く真如法界と思ひて,自他彼此の差別を弁(わきま)へ    〔真如観〕

 上田秋成(1734-1809)の『胆大小心録』に「我非彼是、彼是我非、我他彼此のたがひなり」とあるが、これは郭象の『荘子注』(斉物論)に「我を内として物(他物)を外にす」「此(これ)も亦(ま)た自ら是として彼を非とし、彼も亦た自ら是として此を非とす」とあるのに基づく。

 なお、立て付けの悪い家具・建具の出す雑音や、物事が円滑を欠くさまを形容する現代語の「がたぴし」も、本語に由来するとする説もある。