けさ

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
移動先: 案内検索

袈裟

kaṣāya (S)

 袈裟の原語「kaṣāya」は、「薄汚れた色」「黄赤色」という意味である。それは、墓地に捨てられた死体をくるんでいたものである。死体が獣に食べられた後、散らばっていた破片を拾い集め、洗ってつなぎ合せて使っていた。死体の体液などで、黄赤色になっているので、「kaṣāya」と呼ばれた。
 そのため、「pāṃsu-kūla」つまり拾い集めたぼろ布で作った衣とも呼ばれる。この語は「糞掃衣」と音写される。

仏教では意識的に最下の階級であるチャンダーラと同じ境地に身を置いたらしい。仏教の修行僧は袈裟をまとっていたが、袈裟をまとうことは、古代インドではチャンダーラの習俗であったからである。〔中村元『原始仏教の社会思想』p.77〕

 原語は「色の濁った」とか「よごれた」という意味の音写語である。仏教の僧侶のまとう衣のことである。
 インドでは赤、白などの色で染められた衣は禁じられており、種々の色の溶け合った色を用いたので、その色からこのように名づけられたと言われている。

 釈尊がまとっていたものに形を似せている。たとえば、つぎはぎになっているのは、道に落ちていた布を縫い合わせたものであるから、袈裟もつぎはぎになっている。
 しかし、最初期に一気に弟子が増えたときには、道に落ちている布もないので、大衆が集まったときに布の布施を募ったという。また、一般的に道には落ちていないので、死体を包んでいた布を、すでに捨てられたものだから、という理由で取ってきたという話も伝わっている。黄褐色なのはそのためとも思われる。

 元来、出家修行者は三衣を用いたが、仏教の諸国への伝播とともに変化し、中国・日本などでは種々の形のものがある。日本では僧の標識として衣服の上から着用され装飾化している。法会の際は錦綾・金襴・金紗などの織物を細長く裁断し、これを継ぎ合せた五条・七条・九条などの袈裟を着用し、平素は五条袈裟を変形した簡単な袈裟を用いる。また禅宗の絡子(らくす)、天台・真言宗の輪袈裟、修験者の結袈裟(ゆいげさ)などはさらに簡略化されたものである。