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しひゃくろん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

四百論

catuhzataka、提婆(aaryadeva、聖天、3世紀)著 16品400頌
チベット訳:Bstan-bcos bshi-brgya-pa
漢訳:広百論本玄奘訳(後半8品200頌相当)

内容

 『百論』『百字論』と並んで、著者の基本的述作で、むしろ主著というべきもの。『百論』と同様に龍樹からうけた大乗の空観の立場から、他派の学説を反論することを主眼とする。
 全体は大別して、説法百義と註釈される前半8品と、論義百義と呼ばれる後半8品に2分される。説法百義は主に実践の立場から、常・楽・我・浄の4執をはじめとする諸々の煩悩を取り除いて、菩薩行を進める方法を説き、最後に第8品で実践方法の根本にある空無自性の意義を開示する。この第8品の所説を入門として展開されるのが、論議百義8品で、順次に常・我・時・見・根と境・辺執・有無相等を論破して後、第16品において、弟子への教誡と称して、改めて空性・空義を説いて結論とする。
 『百論』と比較すると、同書の捨罪福品第1が、本書の前半8品に相当するものであることがわかる。

 本書はインド・チベットで長く普及したが、中国には、後半8品に対する護法(dharmapaala)の釈だけが、『大乗広百論釈論』の名で、玄奘訳によって伝えられた。
 チベットには月称(candrakiirti)の註釈(Byan-chub sems-pabi rnal-hbyor spyod pa bshi-brgya-pahi rgya-cher hgrel-pa 〔菩薩の瑜伽行を説く四百頌の広釈〕)とともに伝えられている。今世紀初頭、サンスクリット断片が発見公表されて以来、多くの学者によってチベット訳と照合研究された。

チベット訳

  • 東北目録 95, pp131-140(月称釈)
  • 東北目録 98, p 183-ult

漢訳

T30, pp 182-187(護法釈)T30, pp187-250

研究・翻訳

  • Haraprasad zaastri『catuhzatikaa by aarya Deva』Memoirs of the A. S. B. vol Ⅲ(1910-14, サンスクリット断片)
  • P.L.Vaidya 『Études sur aaryadeva et son catuhzataka, chaps 8Ⅷ-ⅩⅥ』Paris, 1923, V Bhattacharya『The catuhzataka of aaryadeva』Calcutta, 1931
(梵蔵対照、一部還元梵本、第2部の名で後半8品だけ出版されているが、第1部は未刊、他に同著者による第7品の還元梵本と英訳もある)
  • 山口益「月称造四百観論釈疏の序について」、「聖提婆造四百観論における説法百義の要項」(『中観仏教論攷』昭19)。

国訳

  • 遠藤二平訳(国一 中観部3)