にょらいぞうきょう

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大方広如来蔵経

1巻。略して『如来蔵経』という。Tathāgatagarbhasūtra(如来を内部に宿すものについての経典)
 漢訳は元来4訳あったといわれる(最初のものは3世紀末、東晋の法炬訳)。現存の第1訳は東晋の仏陀跋陀羅訳(元煕2 420)で、「大正大蔵経」666番、第二訳は唐の不空(705-774年)の訳で、同667番。いずれも第16巻に所収。チベット訳(8世紀末)は北京版924番(「東北目録」258番)。不空訳とチベット訳には、仏駄跋陀羅訳に比して、2箇所ほど増広がある。3訳対照本として、仏教文化研究所編『漢蔵三訳対照如来蔵経』(1959年、謄写印刷)がある。
 大乗中期の経典で、その成立はナーガールジュナ(龍樹、150-250)よりのち、3世紀中葉と推定される。サンスクリット本は散逸して伝わっていない。

 金剛慧菩薩の問いに対してすべての衆生に常恒不変の如来蔵があることが9種の譬喩によって説かれる。内容から見て如来蔵を説く経論の中でも最古層に属し、また現存はしないが西晋の法炬による訳(290~312頃)が初訳であると伝えられているので、3世紀前半には成立していたものと推定される。
 梵文の『究竟一乗宝性論』(ラトナ・ゴートラ・ヴィパーガ Ratna-gotra-vibhāga)にタターガタ・ガルバ・スートラ Tathāgata-garbha-sūtra の名で引用が見える。

  • 大正 巻16