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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

欲界

kāma-dhātu कामधातु (S)

 ある種の有情の生存の状態、またその有情が住する世界をいう。欲界・色界・無色界の三界に分ける中の一つ。地獄・餓鬼・畜生・(阿修羅)・人間・六欲天を合わせての称。
 欲望にとらわれた生物が住む世界。三界(さんがい)の一つで、地獄(地獄に落ちたもの)・餓鬼畜生阿修羅人間(人(にん))・(神)が住むところ。

 この世界の有情には食欲・婬欲・睡眠欲の三欲があるから、これを欲界という。欲界という名称は有情世間(そこに住する有情)と器世間(有情を入れる器としての山河大地など)とを含む。
 色界無色界とが定心(禅定三昧に入って散動しない心)の地であるのに対して、散心(散動する通常の心)の地であるから欲界散地といい、三界を九地に分けるときには欲界五趣地と称して、欲界の全体を最初の一地とする。