けいひん

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罽賓

Kaśmīra (S) カシミール

 インド亜大陸北西部、カラコルム-ヒマラヤの西南に位置し、やや狭く南北にのびた盆地を指す。東はチベット、北はカラコルムからタリム盆地南縁、南はパンジャーブ、西はインダスから往昔のガンダーラに通じる。しかし、山岳内の盆地という地勢から、文化的には独自の気風が強い。

仏典上の罽賓の位置

 仏教の伝承によると、ガンダーラのカニシカ王のもとでに第四結集が行われ、引き続き仏教の別天地のごとく認識されている。しかし、広く仏典全般にみえる「罽賓」をカシミールにあてるからである。
 しかし、訳経上、罽賓をカシミールに対応する訳語として音韻上固定していた事実以外、南北朝(439-589)には多くガンダーラを指しており、隋代(581-619)にはカシミールを指し、唐の玄奘以後は「カシミール」を「迦湿弥羅」などと音写する。
 こう考えると、最古の仏寺跡ハールワーンが6世紀に遡るにとどまり、以前の仏寺皆無の状況に合致する。

寺院建築

 6世紀後半カシミールは低地パンジャーブ西部に覇権を及ぼし、以後8世紀に最も繁栄した。
 現存の仏寺・ヒンドゥー寺は多数あるが、ほぼこの時期に集中し、巨石を構造材とする壮大な寺院建築が特色である。

 仏寺の好例はシュリーナガル北西のパリハーサプラ、ヒンドゥー寺のそれは南方のマールタンド、アヴァンティプルにみられる。