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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(十号)
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[[ぶっだ|仏陀]]の10種の称号。'''如来十号'''とも言う。
 
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#. [[にょらい|如来]] (tathaagata तथागत(skt)) 真実のままに現れて真実を人々に示す者
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#. [[にょらい|如来]] (tathāgata तथागत(skt)) 真実のままに現れて真実を人々に示す者
 
#. [[おうぐ|応供]] (arhat अर्हत्(skt)) [[あらかん|阿羅漢]]とも訳されている。煩悩の尽きた者。
 
#. [[おうぐ|応供]] (arhat अर्हत्(skt)) [[あらかん|阿羅漢]]とも訳されている。煩悩の尽きた者。
#. '''等正覚''' (とうしょうがく、aamyak-saMbuddha आम्यक्सँबुद्ध(skt)) 一切智を具し一切法を了知する者。<br>(ここまでは一般に悟った人に対する尊称として使われる。ここから後は仏教の釈迦にのみ対する尊称)
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#. [[とうしょうがく|等正覚]] (samyak-saṃbuddha आम्यक्सँबुद्ध(skt)) 一切智を具し一切法を了知する者。<br>(ここまでは一般に悟った人に対する尊称として使われる。ここから後は仏教の釈迦にのみ対する尊称)
#. '''明行足''' (みょうぎょうそく、vidyaacaraNa-saMpanna विद्याचरणसँपन्न(skt)) 宿命・天眼・漏尽の三明の行の具足者。
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#. '''明行足''' (みょうぎょうそく、vidyācaraṇa-saṃpanna विद्याचरणसँपन्न(skt)) 宿命・天眼・漏尽の三明の行の具足者。
 
#. '''善逝''' (ぜんぜい、sugata सुगत(skt)) 智慧によって迷妄を断じ世間を出た者。
 
#. '''善逝''' (ぜんぜい、sugata सुगत(skt)) 智慧によって迷妄を断じ世間を出た者。
 
#. '''世間解''' (せけんげ、lokavid लॉकविद्(skt)) 世間・出世間における因果の理を解了する者。
 
#. '''世間解''' (せけんげ、lokavid लॉकविद्(skt)) 世間・出世間における因果の理を解了する者。
 
#. '''無上士''' (むじょうし、anuttra अनुत्त्र(skt)) 惑業が断じつくされて世界の第一人者となれる者。
 
#. '''無上士''' (むじょうし、anuttra अनुत्त्र(skt)) 惑業が断じつくされて世界の第一人者となれる者。
#. '''調御丈夫''' (じょうごじょうぶ、puruSadaMyasaarathi पुरुषदँयसारथि(skt)) 御者が馬を調御するように、衆生を調伏制御して悟りに至らせる者。
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#. '''調御丈夫''' (じょうごじょうぶ、puruṣa-daṃya-sārathi पुरुषदँयसारथि(skt)) 御者が馬を調御するように、衆生を調伏制御して悟りに至らせる者。
#. '''天人師''' (てんにんし、zaastaa-devamanuSyaaNaam शास्तादेवमनुष्याणाम्(skt)) 天人の師となる者。
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#. '''天人師''' (てんにんし、śāstā-devānāṃ ca manuṣyāṇāṃ ca शास्तादेवमनुष्याणाम्(skt)) 天人の師となる者。
#. [[ぶつ|仏]][[せそん|世尊]] (ぶつせそん、buddho-bhagavaan बुद्धोभगवान्(skt)) 煩悩を滅し、無明を断尽し、自ら悟り、他者を悟らせる者。真実なる幸福者。
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#. [[ぶつ|仏]][[せそん|世尊]] (ぶつせそん、buddho-bhagavān बुद्धोभगवान्(skt)) 煩悩を滅し、無明を断尽し、自ら悟り、他者を悟らせる者。真実なる幸福者。
  
 
この(10)を仏と世尊に分ければ11号となる。または如来十号と称して'''如来'''を総名とし、応供より世尊までを10号とすることもある。また、[[きょうてん|経典]]によっては、世間解と無上士を合する説、無上士と調御丈夫を合する説、世尊を加えない説など、異説も多い。仏をさす称号は10種だけではないが、この10種とするのが通例である。
 
この(10)を仏と世尊に分ければ11号となる。または如来十号と称して'''如来'''を総名とし、応供より世尊までを10号とすることもある。また、[[きょうてん|経典]]によっては、世間解と無上士を合する説、無上士と調御丈夫を合する説、世尊を加えない説など、異説も多い。仏をさす称号は10種だけではないが、この10種とするのが通例である。

2021年6月4日 (金) 19:43時点における最新版

十号

仏陀の10種の称号。如来十号とも言う。

  1. . 如来 (tathāgata तथागत(skt)) 真実のままに現れて真実を人々に示す者
  2. . 応供 (arhat अर्हत्(skt)) 阿羅漢とも訳されている。煩悩の尽きた者。
  3. . 等正覚 (samyak-saṃbuddha आम्यक्सँबुद्ध(skt)) 一切智を具し一切法を了知する者。
    (ここまでは一般に悟った人に対する尊称として使われる。ここから後は仏教の釈迦にのみ対する尊称)
  4. . 明行足 (みょうぎょうそく、vidyācaraṇa-saṃpanna विद्याचरणसँपन्न(skt)) 宿命・天眼・漏尽の三明の行の具足者。
  5. . 善逝 (ぜんぜい、sugata सुगत(skt)) 智慧によって迷妄を断じ世間を出た者。
  6. . 世間解 (せけんげ、lokavid लॉकविद्(skt)) 世間・出世間における因果の理を解了する者。
  7. . 無上士 (むじょうし、anuttra अनुत्त्र(skt)) 惑業が断じつくされて世界の第一人者となれる者。
  8. . 調御丈夫 (じょうごじょうぶ、puruṣa-daṃya-sārathi पुरुषदँयसारथि(skt)) 御者が馬を調御するように、衆生を調伏制御して悟りに至らせる者。
  9. . 天人師 (てんにんし、śāstā-devānāṃ ca manuṣyāṇāṃ ca शास्तादेवमनुष्याणाम्(skt)) 天人の師となる者。
  10. . 世尊 (ぶつせそん、buddho-bhagavān बुद्धोभगवान्(skt)) 煩悩を滅し、無明を断尽し、自ら悟り、他者を悟らせる者。真実なる幸福者。

この(10)を仏と世尊に分ければ11号となる。または如来十号と称して如来を総名とし、応供より世尊までを10号とすることもある。また、経典によっては、世間解と無上士を合する説、無上士と調御丈夫を合する説、世尊を加えない説など、異説も多い。仏をさす称号は10種だけではないが、この10種とするのが通例である。