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うらぼん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

盂蘭盆

ullambana (S)、avalambanaのアヴァランパナの転訛ともいう。烏藍婆拏とも書き、倒懸(=逆さづりになったような甚だしい苦しみ)と訳すが、救済の意とする説もある。死者の苦を救うために、7月13日から3日間(旧暦、新暦、月遅れ8月の地域とがある)。仏・僧に食物をささげて供養する行事で、とくに祖先の霊を供養する法会をいう。盂蘭盆会、盂蘭盆供、盂蘭盆斎、盂盆斎、盆会、盆、歓喜会、魂祭ともいう。盂蘭盆経によると、仏弟の目連が亡母の餓鬼道に堕ちた苦しみを救うために、雨期の学習期間(安居甥)を終えた日(自窓日駝といい、7月15日に当たる)に仏・僧に食物をささげたのに始まるという。恐らくはインドの古い農耕儀礼であるピンダ Piṇḍa の祭が仏教の自恣供養日と結びついた習俗であろうといわれている。ただし、孟蘭盆をイラン語で竪魂を意味するウルヴァン urvan の音写とし、イラン民族の死者の霊魂をまつる行事が収穫祭と結合し、ソグド人によって西域経由で中国に伝わったものとする説もある。中国では梁の大同4年538に武帝が同泰寺ではじめたといわれ、唐代にはひろく官民の間に行われるようになった。日本では推古天皇14年606に斎を設けたのに始まり、わが国古来の祖霊崇拝と結びついて民間の習俗となった。その際、初日に亡者の霊を迎えるのを糟霊迎え、魂迎えといい、最後の日に送るのを精霊送り、魂送りという。またこの時に果物・飲食物などを供える棚を精霊棚と呼び、この祭壇の前で読経するのを棚経と称する。盆路溌をつくり盆花を摘む風習や、盆踊り、送り火などの行事が行われるが、民間行事には、祖霊を慰める意味と、無縁仏や餓鬼などを送りだす意味とがまじっているようである。タママツリは7月ばかりでなく、ミタマ(祖霊)・イキミタマ(生きている親)に奉仕する行事として、歳末や正月などにも行われた。なお盆の称呼は孟蘭盆の略ではなく、供物をのせる器物の名からきたともいわれる。