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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(三界)
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 '''[[よっかい|欲界]]'''・'''色界'''(しきかい)・'''無色界'''(むしきかい)の三つの総称。凡夫が生死を繰り返しながら[[りんね|輪廻]]する世界を3つに分けたもの。[[ぶつだ|仏陀]]は、この'''三界'''から[[げだつ|解脱]]している。
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 '''[[よっかい|欲界]]'''・'''[[しきかい|色界]]'''・'''無色界'''(むしきかい)の三つの総称。凡夫が生死を繰り返しながら[[りんね|輪廻]]する世界を3つに分けたもの。[[ぶつだ|仏陀]]は、この'''三界'''から[[げだつ|解脱]]している。
  
# '''欲界''' (kaama-dhaatu)は、'''淫欲'''と'''食欲'''の2つの欲望にとらわれた[[うじょう|有情]]の住む処。六欲天から人界を含み、無間地獄までの世界をいう。
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# '''欲界''' (kāma-dhātu)は、'''[[いんよく|淫欲]]'''と'''食欲'''の2つの欲望にとらわれた[[うじょう|有情]]の住む処。六欲天から人界を含み、無間地獄までの世界をいう。
# '''色界''' (ruupa-dhaatu)は、欲界の2つの欲望は超越したが、物質的条件([[しき|色]])にとらわれた'''有情'''が住む処。<br>この色界は[[ぜんじょう|禅定]]の段階によって、4つ(四禅天)に分けられる。
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# '''色界''' (rūpa-dhātu)は、欲界の2つの欲望は超越したが、物質的条件([[しき|色]])にとらわれた'''有情'''が住む処。<br>この色界は[[ぜんじょう|禅定]]の段階によって、4つ(四禅天)に分けられる。
# '''無色界''' (aaruupya-dhaatu)は、欲望も物質的条件も超越し、ただ精神作用にのみ住む世界であり、'''禅定'''に住している世界。
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# '''無色界''' (ārūpya-dhātu)は、欲望も物質的条件も超越し、ただ精神作用にのみ住む世界であり、'''禅定'''に住している世界。
  
 
===用法===
 
===用法===
  
 ''[[ほっけきょう|法華経]]''(譬喩品)に「三界は安きことなく、なお、火宅のごとし」というのは、迷いと苦しみのこの世界を、燃えさかる家にたとえたもの。
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 ''[[ほっけきょう|法華経]]''(譬喩品)に「'''三界は安きことなく、なお、火宅のごとし'''」というのは、迷いと苦しみのこの世界を、燃えさかる家にたとえたもの。
  
*「三界に家なし」とは、この世界が安住の地でないことを意味し、後には女性の不安定な地位を表す諺になった。
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* 「三界に家なし」とは、この世界が安住の地でないことを意味し、後には女性の不安定な地位を表す諺になった。

2018年7月5日 (木) 10:21時点における版

三界

 欲界色界無色界(むしきかい)の三つの総称。凡夫が生死を繰り返しながら輪廻する世界を3つに分けたもの。仏陀は、この三界から解脱している。

  1. 欲界 (kāma-dhātu)は、淫欲食欲の2つの欲望にとらわれた有情の住む処。六欲天から人界を含み、無間地獄までの世界をいう。
  2. 色界 (rūpa-dhātu)は、欲界の2つの欲望は超越したが、物質的条件()にとらわれた有情が住む処。
    この色界は禅定の段階によって、4つ(四禅天)に分けられる。
  3. 無色界 (ārūpya-dhātu)は、欲望も物質的条件も超越し、ただ精神作用にのみ住む世界であり、禅定に住している世界。

用法

 法華経(譬喩品)に「三界は安きことなく、なお、火宅のごとし」というのは、迷いと苦しみのこの世界を、燃えさかる家にたとえたもの。

  •  「三界に家なし」とは、この世界が安住の地でないことを意味し、後には女性の不安定な地位を表す諺になった。