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さんがく

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

三学

śikṣā-traya (S)

 仏道を修行する者が必ず修めるべき三つの基本的な修行の項目をいう。「三学処」「三勝学」ともいう。

 学・学・学の三つをいう。

  1. 「戒学」とは戒禁(かいごん)(戒律)であり、身口意の三悪を止め善を修すること。
  2. 「定学」とは禅定を修めることで、心の散乱を防ぎ安静にさせる法。
  3. 「慧学」とは智慧を身につけることであり、煩悩を破り静かな心をもってすべての事柄の真実の姿をみきわめることをいう。

 また、この三学は三蔵に相当し、戒学は律蔵に、定学は経蔵に、慧学は論蔵によって導き深められるが、三者の関係は、戒を守り生活を正すことによって定(じょう)を助け、禅定の澄心によって智慧を発し、智慧は真理を悟りを断ち、生活を正し、結果として仏道を完成させる。不即不離であるこの三者の学修を通して仏教は体現されるから、三つの基本的学であるとされる。

学要有三。一増上戒、二増上心、三増上慧。以戒定慧、為三自体。〔『倶舎』24、T29-127a〕
云何三学。一増上戒学、二増上心学、三増上慧学。〔『瑜伽』91、T30-815c〕
世尊意、為策励怖多所作懈怠衆生、総摂一切略説三学。(中略)若散乱者、令不散乱方便、為説増上戒学、心未定者、為令得定方便、為説増上心学、心已得定未解脱者、為令解脱方便、為説増上慧学。〔『瑜伽』16、T30-367a〕