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2010年10月7日 (木) 07:17時点における版
四分律
caturyvargika-vinaya (skt.)
漢訳
『四分律』六十巻は、カシュミール(罽賓)の佛陀耶舎が、四分律を暗記して長安に来て、自己の暗記に基づいて訳した。訳時は410‐412年のことである。
広律
広律とは戒経に対していう言葉であり、戒経は250戒の条文のみの集成であるが、その条文の註釈や僧伽運営の羯磨などについて詳しい説明を含んでいるのが広律である。
したがって、十誦律・四分律・五分律・僧祇律はすべて広律であるから、内容の骨格はほぼ同じであるが、細かな点においては相違がある。
特徴
四分律は曇無徳部(dharmaguptaka)、すなわち法蔵部が伝えた広律である。
全体として見るならば、四分律の説明は過不足がなく、行き届いており、勝れた律である。これに対して十誦律は有部の律であるために、アビダルマ的な問答分別が多く、説明が煩雑で、直ちに意味を取りにくい点がある。しかし四分律は、十誦律を訳した羅什の弟子たちが長安で勢力があったので、翻訳の最初は十誦律に押されて、研究されなかった。