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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

2021年11月17日 (水) 08:46時点におけるマイコン坊主 (トーク | 投稿記録)による版 (勝義)

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勝義

paramārtha、parama-arthatas (S)

①最高の対象・もの。最高の真理・真実。すべての存在するものに遍在する存在の本性。究極の存在。「義」にあたる原語「artha」には、対象・もの・真理・目的・価値などの種々の意味があり、勝義の「義」はそれらすべてを含んだ語である。勝にあたる原語「parama」の「最高」という意味を第一と訳して第一義ともいう。
 〈唯識〉は、勝義・第一義は究極的には真如であると説く。また三性でいえば円成実性にあたる。究極的には言葉では表現できないもの。真如・実際無相法界空性などの同義語と並記されることがある。世俗の対。

②三種の勝義。

  1. 義勝義  対象としての勝義。勝れた智慧である根本無分別智の対象としての真如をいう。
  2. 得勝義  獲得されたものとしての勝義。涅槃をいう。
  3. 行勝義  実践行としての勝義。さとりに至る道である聖道をいう。
勝義有三。一義勝義、謂、真如、勝之義故。二得勝義、謂、涅槃、勝即義故。三行勝義、謂、聖道、勝為義故。    〔『成論』8,大正31・47c〕

 これらは四極勝義のうちの第四、第三、第二に当たる。また遍依円の三性に配して三世俗を立てる。
(1) 仮世俗(自性能実体がなくて仮に名のみあるもの〔遍計所執性〕)
(2) 行世俗(すべての有為法。遷し流されて無常であるから〔依他起性〕)
(3) 顕了世俗(煩悩にけがれた依他起を断って遍計所執のないところに顕れる真如〔円成実性〕)
 これらは四世俗諦のうちの第一、第二・三、第四に当たる。『成唯識論』巻九ではこの三世俗をすべて依他起性におさめ、勝義とは円成実性であるとする。『顕揚聖教論』巻一六には、七種の真如を勝義諦とし、同巻六には三世俗を立てる。

(1) 世間俗(田や家のように体がなくてただ名によって立てられるもの)
(2) 道理俗(種や処・界のようにその体があって立てられるもの)。 (3) 証得俗(四沙門果のようにさとりに至る手段として立てられるもの)
 これらは四世俗諦のうちの初めの三に当たる。