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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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 心のなかに住すること。[[しゃまた|奢摩他]]を修することによって寂静となった心のありようをいう。次の9種のありようがある。
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 心のなかに住すること。[[しゃまた|奢摩他]]を修することによって[[じゃくじょう|寂静]]となった心のありようをいう。次の9種のありようがある。
 
;1 内住(sthā): 外界の対象から心を切り離し、心の内に住して心を外に散乱せしめない状態。
 
;1 内住(sthā): 外界の対象から心を切り離し、心の内に住して心を外に散乱せしめない状態。
 
;2 等住(sam-sthā): 内住によって内に住した粗い心を微細にして心全体を安定させた状態をいう。
 
;2 等住(sam-sthā): 内住によって内に住した粗い心を微細にして心全体を安定させた状態をいう。

2018年8月10日 (金) 12:55時点における最新版

心住

citta-sthiti (S)

 心のなかに住すること。奢摩他を修することによって寂静となった心のありようをいう。次の9種のありようがある。

1 内住(sthā)
 外界の対象から心を切り離し、心の内に住して心を外に散乱せしめない状態。
2 等住(sam-sthā)
 内住によって内に住した粗い心を微細にして心全体を安定させた状態をいう。
3 安住(ava-sthā)
 内住・安住によって内に住したものの、失念(集中力を失う)によって外界に散乱する心を再び内に安置せしめる状態。
4 近住(upa-sthā)
 心のなかの対象近くに心を集中せしめて心を遠く外に向けしめない状態。
5 調順(dam)
 外的な感覚の対象や内的な煩悩のために流散する心を制御・抑制して平静ならしめる状態。
6 寂静(śam)
 心をかく乱する貪りやいかりなどをともなった悪い追求心や煩悩をなくして、心が寂静になった状態。
7 最極寂静(vyupa-śam)
 集中力を失って悪い追求心や煩悩が生じるとき、それらに心を止めずに、すぐにそれらをぬぐい去って心が極めて寂静になった状態。
8 専注一趣(ekoti-kṛ)
 意図的に心を働かせて一つの対象に心を注ぎ、それによって静まり定まった心(三摩地)が相続する状態。
9 等持(samādhā)
 くりかえし修行することによって意図的に努力することなく自然に静まり定まった心が相続する状態。

〔『瑜伽』30、T30-450c~451a〕