アビダルマ(阿毘達磨)で、世界を心王・心所・色・不相応行法・無為の五つにカテゴライズする。 このうち、心王は心(こころ)の主となるものであって、識のことをいう。個々の心作用としての心所はそれに相応して働く。そこで心王は全体を捉え、心所はその個別相に働くといわれる。
説一切有部では心王は一つであり、六識を一体と見る。大乗(唯識派)では八識の各々が心王である。