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ぞうじょうか

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

2018年6月6日 (水) 11:17時点におけるマイコン坊主 (トーク | 投稿記録)による版 (増上果)

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増上果

adhipati-phala (S)

 5つの果(異熟果・等流果・離繋果・士用果・増上果)の一つ。
 根本原因(因縁)を助ける補助原因の一つである増上縁によってもたらされた結果をいう。すべての存在(一切法)はそれ自ら(自性)を除いた他のすべての現象的存在のための増上縁であるから、それ自ら(自性)を除いた他のすべての現象的存在である有為が増上果といわれる。
 たとえば一つの米粒が生じる場合、米粒の種子が因縁でそれ以外の大地や水や温度が積極的な増上縁であるが、それ以外の存在も米粒の発生をさまたげなかったという消極的な意味での増上縁と考えられ、そのような積極的な、消極的なさまざまの縁によって生じた米粒が増上果である。
 積極的な増上縁としては二十二根がある。たとえば眼識(視覚)は眼根(眼の器官)という増上縁の結果であり、身体が腐らずに存続するのは命根という力の結果であると考える。六因のなかの能作因によってもたらされる果。

 増上果者。謂、離自性、余有為法。唯除前生。〔『倶舎』17、T29-91b〕
 若眼識等是眼根増上果、乃至意識等是意根増上果、衆生身分不散不壊是命根増上果、二十二根各各能起自増上果、当知一切名増上果。〔『瑜伽論』38、T30-502b〕
 果有五種。(中略)五者増上。謂除前四余所得果。〔『成唯識論』8,T31-42a~b〕