転識
pravṛtti-vijñāna (S)
潜在的な根本心(阿頼耶識)から転じて生じた顕在的な7つの識(眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識・末那識)をいう。現行識ともいう。
転識と阿頼耶識とは相互に因となる。すなわち阿頼耶識は転識を生じる因となり、転識は阿頼耶識のなかに種子を植えつける因となる。
略して二つの識あり。一には阿頼耶識、二には転識なり。阿頼耶識は是れ所依にして転識は是れ能依なり。
阿頼耶識と諸の転識とは互に縁性と為りて転ず。
阿頼耶識は先世に造れるところの業行を因と為し、眼などの転識は現在世に於て衆縁を因と為して生ず。