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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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yathaa-bhuuta,yathaa-tathaa (skt.)
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<big>yathā-bhūta,yathā-tathā</big> (S)
  
 
 「あるがまま」「その如く」という意味。
 
 「あるがまま」「その如く」という意味。
  
 仏教ではbhuutaやsatya、あるいはtathataaという語が真実・真如を意味するので、「あること」「存在すること」、あるいは「それ」とか「これ」と指し示しうるものがそのまま真実・真如である。したがって「'''あるがまま'''」「'''その如く'''」ということは、真実のとおりに、[[しんにょ|真如]]のままにという意味になる。
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 仏教ではbhūtaやsatya、あるいはtathatāという語が[[しんじつ|真実]]・[[しんにょ|真如]]を意味するので、「あること」「存在すること」、あるいは「それ」とか「これ」と指し示しうるものがそのまま真実・真如である。したがって「'''あるがまま'''」「'''その如く'''」ということは、真実のとおりに、真如のままにという意味になる。
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 [[じっそう|実相]]の如くなり。実性に如(かな)う。また、如は平等の意味、実は不虚の意味。また、真如実相の意味。共に理体に名づけたものである。
  
 
 「[[にょじつちけん|如実知見]]」はその真実・真如を真実・真如のままに知見すること、すなわち本当の[[ちえ|智慧]]([[はんにゃ|般若]])を表す。
 
 「[[にょじつちけん|如実知見]]」はその真実・真如を真実・真如のままに知見すること、すなわち本当の[[ちえ|智慧]]([[はんにゃ|般若]])を表す。
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: 真如平等、体は[[こもう|虚妄]]を離るが故に如実と云うなり。     〔行宗記1上之2〕
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:なお、漢語「如実」(実の如く)は事実のとおりにという意味で、『論衡』(卜筮)に用例が見える。
 
:なお、漢語「如実」(実の如く)は事実のとおりにという意味で、『論衡』(卜筮)に用例が見える。

2019年12月12日 (木) 03:34時点における最新版

如実

yathā-bhūta,yathā-tathā (S)

 「あるがまま」「その如く」という意味。

 仏教ではbhūtaやsatya、あるいはtathatāという語が真実真如を意味するので、「あること」「存在すること」、あるいは「それ」とか「これ」と指し示しうるものがそのまま真実・真如である。したがって「あるがまま」「その如く」ということは、真実のとおりに、真如のままにという意味になる。

 実相の如くなり。実性に如(かな)う。また、如は平等の意味、実は不虚の意味。また、真如実相の意味。共に理体に名づけたものである。

 「如実知見」はその真実・真如を真実・真如のままに知見すること、すなわち本当の智慧(般若)を表す。

 真如平等、体は虚妄を離るが故に如実と云うなり。     〔行宗記1上之2〕


なお、漢語「如実」(実の如く)は事実のとおりにという意味で、『論衡』(卜筮)に用例が見える。