悲華経
10巻。(S) Karuṇa-puṇḍarīka、チベット訳もある。
北涼の曇無讖の訳〈玄始8 419〉異訳に訳者不詳(東晋代末頃の訳)の『大乗悲分陀利経』(8巻)がある。
釈迦如来の穢土成仏の大慈悲を讃嘆する経典。穢土成仏と対比するため阿弥陀仏などの諸仏の浄土成仏をとりあげ、それぞれの本生・本願を説く。
経中に無諍念王が浄土成仏の本願を立て、将来に阿弥陀仏となる授記を受けたという本生話が述べられている。本願思想の展開の上で重要な経典である。
大乗経典として比較的後期のものとみられ、3-4世紀頃の成立と推定される。