無性
無自性
〈niHsvabhaava〉
固定した実体のないこと。またそのようなものが実在しないことであって、空と同義語である。「無自性」ともいう。大乗仏教においては、あらゆるものは因縁によって生起するゆえに無自性・空であると説く。
無性有情
〈agotra〉
三乗の悟りを得る素質(性)とくに仏性のないものをいう。「無性(姓)有情」の略であって、「無種姓」ともいう。唯識法相宗の教義において五性(五性各別)の中の一つに数え、永久に成仏できないものとされる。
- ある衆生は三乗の種子皆無し。此の人は何(いつ)と無く凡夫にてはつるなり。是れを無性有情と名付く 〔法相二巻抄下〕