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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

 
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 [[みろく|弥勒]]と[[むちゃく|無着]]によって唱えられたそれまでの唯識の教理を〈[[しきてんぺん|識転変]]〉(vijJaana-pariNaama)などという新たな術語を用いつつ、わずか30の偈頌(げじゅ)の中に巧みにまとめあげたものである。世親が自身で註釈をほどこすことなく没したため、その後その内容の解釈をめぐってさまざまの論争が展開された。
 
 [[みろく|弥勒]]と[[むちゃく|無着]]によって唱えられたそれまでの唯識の教理を〈[[しきてんぺん|識転変]]〉(vijJaana-pariNaama)などという新たな術語を用いつつ、わずか30の偈頌(げじゅ)の中に巧みにまとめあげたものである。世親が自身で註釈をほどこすことなく没したため、その後その内容の解釈をめぐってさまざまの論争が展開された。
  
 それらの諸異説のうち[[ごほう|護法]]の見解を正統なものとしてまとめあげたのが、[[げんしょう|玄奘]]が訳した『[[じょうゆいしきろん|成唯識論]]』であり、この論の出現によって中国において[[ほっそうしゅう|法相宗]]が成立した。
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 それらの諸異説のうち[[ごほう|護法]]の見解を正統なものとしてまとめあげたのが、[[げんじょう|玄奘]]が訳した『[[じょうゆいしきろん|成唯識論]]』であり、この論の出現によって中国において[[ほっそうしゅう|法相宗]]が成立した。

2006年6月1日 (木) 23:06時点における版

唯識三十頌

triMzikaa vijJaptimaatrataasiddhiH

 唯識を組織大成した世親の代表的著書。
 弥勒無着によって唱えられたそれまでの唯識の教理を〈識転変〉(vijJaana-pariNaama)などという新たな術語を用いつつ、わずか30の偈頌(げじゅ)の中に巧みにまとめあげたものである。世親が自身で註釈をほどこすことなく没したため、その後その内容の解釈をめぐってさまざまの論争が展開された。

 それらの諸異説のうち護法の見解を正統なものとしてまとめあげたのが、玄奘が訳した『成唯識論』であり、この論の出現によって中国において法相宗が成立した。