安楽集
二巻。唐の道綽(562年-645年)著。十二章。
道綽は涅槃経の学者であったが、のちに浄土門に転じた。生涯に観無量寿経を2百回以上講義したという。
本書は同経を解釈したもので、仏教を聖道門と浄土門に区別した最初の書である。大きく12門(十二大門)からなり、問答形式で安楽国すなわち極楽浄土に関する諸問題を解明し、特に曇鸞の浄土教を受けついで、それを末法に即応した教えとした。
これがさらに弟子の善導に受けつがれて大成された。曇鸞の往生論註、善導の観無量寿経疏とともに、日本における法然・親鸞の基盤となった。
浄土真宗の七高僧の著作集の内の七祖聖教の一つ。