「人」とはみずからのことであり、「法」とはみずからを成り立たせているすべての存在のことである。そのいずれもが「空」、つまりたがいに縁となることによって、相互に依存しながら成立している関係であるから、自らも、自らを成り立たせている全てのものが執着の対象とはなりえないことを説いている。
この人法二空を、親鸞の言葉として『歎異抄』の中に
煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界、よろずのこと、みなもてまことあることなきに
と表わしている。