法体
法の本体(自性(svabhāva))の意味である。法そのもの、法の本質を指す。自体とも、自性とも訳す。
法は普通は現象界の存在の構成要素を指す。部派仏教の説一切有部は、現象界を構成する法の本体が過去・未来・現在の三世にわたって実在であるとして、三世実有・法体恒有説を唱えた。
日本の浄土教では阿弥陀の名号や念仏を法体と呼ぶ。これは法を仏法ととらえた理解である。
また「体」を、身体・姿と解して、僧形と同意に用いるほか、時に「伏して惟(おもん)みれば、和尚法体如何(いかん)」〔性霊集補闕抄(10)〕のように、僧のからだに対する敬称とすることもある。