惑業苦
「惑」は煩悩の異訳語。貪着・瞋恚・無知などの煩悩に基づく業・行為を「惑業」といい、その業により三界を生死流転する苦がもたらされると考えられた。この惑と業と苦との三つは衆生が輪廻する次第を示したもので「三道」とも呼ばれる。
また「惑業事(じ)」「惑業生(しょう)」ともいう。
問。煩惱菩提若一體者。唯應任意起惑業耶。答。生如是解。名之爲惡取空者。專非佛弟子。今反質云。汝若煩惱即菩提故欣起煩惱惡業。
煩悩・菩提もし一体ならば、ただまさに意(こころ)に任せて惑業を起こすべきや 〔往生要集(大文第4)T84-49b〕