くういん
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
倶有因
sahabhū-hetu (S)
同時にある因。六因の一つ。
これに関して次の二つの解釈がある。
- 2つ以上の存在が互いに因となり果となるとき、一方を他方に対して倶有因という。たとえばA・B・Cの3本の杖が相いよって立っているとき、AはBCの倶有因であり、BはACの倶有因であり、CはABの倶有因である。
- 2つ以上の存在が相いよって一つの存在に作用をおよぼすとき、相いよる存在を一つの存在に対して倶有因であるという。たとえば3本の杖が相いよって一つの物を支えるとき、3本の杖は一つの物の倶有因である。
前者(1)を互為果倶有因といい、後者(2)を同一果倶有因という。
若法更互為士用果、彼法更互為倶有因。其相云何。如四大種、更互相望為倶有因。〔『倶舎』6,T29-30b〕