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はってんじょう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

八転声

 八転、八声、八例ともいう。梵語の名詞・代名詞・形容詞の語尾が八種類に変化すること。

  1. 主格
     体声、直指陳声ともいい、「……は」の意。
  2. 業格
     所作業声ともいい、「……を」の意。
  3. 具格
     能作具声ともいい、「……によって」の意。
  4. 為格
     所為声ともいい、「……のために」の意。
  5. 従格
     所因声ともいい、「……より」の意。
  6. 属格
     所属声ともいい、「……の」の意。
  7. 於格
     所依声ともいい、「……において」の意。
  8. 呼格
     呼召声ともいい、「……よ」の意。

 このような名詞語尾の格例変化を蘇漫多声(そまんたじょう)という。蘇漫多はスバンタ subanta の音写で、蘇盤多とも書 く。ス su という語尾を有するものの意。この蘇漫多声は、動詞の活用変化である底彦多声(ていげんたじょう)に相対する。底彦多はティガンタ tińanta の音写で、丁岸曜とも書く。ティ ti という語尾を有するものの意。
 動詞には為自言(反射態)と為他言(能動態)とがあり、それぞれに一人称・二人称・三人称、またそれぞれに単数・両数・複数があって活用するから、二つの九転声、合わせて十八転声(十八転、二九韻)となる。