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=勝義=
<big>paramārtha、parama-arthatas</big> (S)

①最高の対象・もの。最高の真理・真実。すべての存在するものに遍在する存在の本性。究極の存在。「義」にあたる原語「artha」には、対象・もの・真理・目的・価値などの種々の意味があり、勝義の｢義」はそれらすべてを含んだ語である。勝にあたる原語「parama」の「最高」という意味を第一と訳して'''第一義'''ともいう。<br>
　〈唯識〉は、勝義・第一義は究極的には[[しんにょ|真如]]であると説く。また[[さんしょう|三性]]でいえば[[えんじょうじっしょう|円成実性]]にあたる。究極的には言葉では表現できないもの。真如・[[じっさい|実際]]・[[むそう|無相]]・[[ほっかい|法界]]・[[くうしょう|空性]]などの同義語と並記されることがある。[[せぞく|世俗]]の対。

②三種の勝義。

# 義勝義　　対象としての勝義。勝れた[[ちえ|智慧]]である根本[[むふんべっち|無分別智]]の対象としての真如をいう｡
# 得勝義　　獲得されたものとしての勝義。[[ねはん|涅槃]]をいう｡
# 行勝義　　実践行としての勝義。さとりに至る道である聖道をいう。


:勝義有三。一義勝義、謂、真如、勝之義故。二得勝義、謂、涅槃、勝即義故。三行勝義、謂、聖道、勝為義故。　　　　〔『成論』8，大正31･47c〕