いちほっかいのソースを表示

=一法界=
　「一」とは比較するもののないことを示すから、二・三に対する一ではない。世界の全体が心に収まるから、心に対立する他のものはない。その点を「一」という。

　『起信論義記』には
:如理・虚融・平等・不二の故に称して一となす
と説明する。<br>
　[[ほっかい|法界]]とは、法の界のことで、この場合の法は聖法すなわち成佛の法、界（ダートウ dhātu）はここでは「因」の意味である。[[しゅじょうしん|衆生心]]は聖法出生の因であるから、一法界という。それが[[しんしんにょ|心真如]]である。

　『[[ふぞうふげんぎょう|不増不減経]]』に
:一切の[[ぐち|愚癡]][[ぼんぶ|凡夫]]は[[にょじつ|如実]]に一法界を知らざるが故に
の語があり、『[[きしんろん|起信論]]』はこの「一法界」の思想を受けたのであろう。<br>
　『[[ちゅうべんふんべつろん|中辺分別論]]』に
:法界とは聖法の因を義となす
の説があり、これと合致する思想である。『義記』には「一法界とは無二の真心」のことであると説明している。