たいや
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
逮夜
明日に逮<オヨ>ぶの夜という意味で、元来は前夜のことであるが、荼毘(火葬)の前夜、もしくは年忌、月忌などの忌日の前夜をいう。太夜、大夜、迨夜とも書き、宿夜、伴夜、贈別夜ともいう。
逮も迨も「およぶ」という意味で、逮夜は明日の茶毘におよぶの意。大夜は大行(死のこと)の夜の意という説があり、また逮夜というのは、一昼夜を六時に分けるうちの日没時であるともいう。
以前は、葬式・荼毘の前日は夜通し、故人の枕もとで寝ないで故人を偲んだものである。これを夜伽<ヨトギ>といって、古来より続く殯<モガリ>の風習を継ぐものと思われている。また、逮夜は通夜とも言われ、現在は通夜の儀式を行うだけとなってしまった。