えしん
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
回心 廻心
心を回転するという意味。すなわち邪悪な心を回転して改悔して仏道に帰入する。あるいは、二乘自利の心を回転して大乗に趣向することを言うものである。
- 彼れわずかに有余涅槃を証得すれば、決定して回心して無上覚を求む。〔成唯識論10、T31.0055c〕
- 一切皆回心す、悉く仏性力ありて内薫の因となるが故に。〔華厳五教章4〕
- 但だ廻心して多く念仏せしむれば、能く瓦礫をして変じて金とならはむ。〔慈愍和尚般舟三昧讃〕
- 五逆の廻心は上上に通じ、読誦の妙行は亦下下に通ず。〔選択本願念佛集〕
- 自己の罪過を恥じて心を仏の教えに向けること。邪悪な自己を改め悔いて仏道に帰依すること。自らを懺悔して信仰に入ること。
〔『学道用心集』〕
信仰を改めること。一般的には、世俗的な欲望追求にのみ走り、よこしまな方向にある心を改めて、宗教の世界に心をふり向けること。
ここから邪悪な自己を改悔して仏道に帰依し、善を行ない、敬虚な仏教者となることを意味する。
浄土教では自力の心をもって念仏の教えを信ずることをいう。〔法事讃 T47-426a〕〔教行信証〕
- 心を回らして仏法を信ずる。 〔香月院釋深励 3752〕
- 邪悪な心を清浄なさとりに向けること(回心懺悔)。
- また小乗の心を大乗に向けること(回心向大)
- 自力の心から他力の信心を得ること。〔黒谷上人語燈録(漢語燈録) T83-131b〕
一般に「かいしん」とよむ。罪を犯した者が自己の罪を倣悔して、善良な人として更正することをいう。