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おくねん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

憶念

anusmaraṇa (S) = samanvā-√hṛ

 記憶すること。心に念じたもつこと。思いつづけること。心に保って忘れないこと。心に念じ、常に思い出すこと。
 「憶」は憶持、「念」は明記不忘。

言憶念者、於所観察一切法義、能不忘失、於久所作、久所説中、能正随念。〔瑜伽師地論83、T30-760c〕

smaraṇa (S)

 思い浮かべる。思い出す。過去を思い起こす心作用。

浄土教

 特に心の中で阿弥陀仏の功徳を思い続けること。阿弥陀仏の本願を常に思い出して忘れぬこと。

 常に仏恩を思って忘れず称名する。常に、南無阿弥陀仏と称えること。

 心に思いたもつこと。心に念じて忘れないこと。浄土真宗では、とくに阿弥陀仏の本願を信じることとする。
 「正信偈」には「弥陀仏の本願を憶念すれば、自然に即の時必定に入る」〔註205〕、「信巻」には「憶念はすなはちこれ真実の一心なり」〔註252〕等とある。
 また、本願のいわれを聞いて心にたもち常に思い出して忘れないこととしても用いられる。『唯信鈔文意』には

憶念は、信心をえたるひとは疑なきゆゑに本願をつねにおもひいづるこころのたえぬをいふなり。〔註705〕

とある。