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かこげんざいいんがきょう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

過去現在因果経

略して『因果経』という。4巻または5巻。劉宋の求那跋陀羅の訳(元嘉30 453)。

 仏陀自らが説いた形をとる仏陀伝。仏伝文学史上では『太子瑞応本起経』に続く発展と見られる。その中心の部分は『仏所行讃』とよく一致し、あるいは『仏所行讃』から承けたとも考えられる。また『普曜経』とも密接な関係がある。
 思想的には仏伝の部分が小乗的であるのに対して追加の本生説話には大乗的な用語が含まれている。

 本経は訳文が流麗で、他の仏伝にすぐれて大いに普及した。経の本文を下段に、その場面をあらわした絵画を上段に配した美麗な巻子、過去現在因果経絵(因果経絵、絵因果経)までも作られて、芸術的にすぐれたものが現存している。

  • 大正 巻3
  • 国訳 本縁部4