げんそう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
還相
往生して仏になり、再びこの世にかえって利他教化のはたらきをすること。かえるすがた。浄土教で説く。
- 還相とは、かの土に生じをはりて、奢摩他・毘婆舎那を得、方便力成就すれば、生死の稠林に回入して一切衆生を教化して、ともに仏道に向かふなり。もしは往、もしは還、みな衆生を抜きて生死海を渡せんがためなり。このゆゑに「回向を首となす。大悲心を成就することを得んとするがゆゑなり」といへり。〔曇鸞『論註』、p.108〕
浄土に参りはてば普賢の振舞をせさせて衆生利益せさせむと廻向したまへるなり。〔『真聖』5-23〕
還来穢国の相只と云ふこと。〔『筆記』〕
衆生の方より付けた名で浄土へ参ったものが再び諸有世界へ立戻りて衆生を済度するもの。〔会読記〕
衆生が浄土から穢国へかへりて普賢の行を修する相。〔会読記〕
娑婆へ戻るすがた。〔香月〕
還来穢国の相状と云ふ事で浄土から娑婆へ立ちかへりて衆生済度する相。〔香月〕
還来穢国度人天人のこと、安楽浄土へ至りをはりて娑婆へ立返りて利物すること。〔円乗〕