さんごうしいき
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三教指帰
3巻。空海の著。797年(延暦16)
空海が出家するとき、親戚知人が僧徒は人倫忠孝に背くと反対したので、儒仏道三教の所説を比較し、仏教も忠孝の道に背かないことを明らかにしたもの。
内容は兎角が放蕩の甥の訓誠を儒士にたのみ、この教誨を道士が来て論破し、更に仏教僧がこの儒道を取るにたらないものと述べ、兎角と儒士・道士の三人は共に仏教に帰依するという比喩を流麗な文章で説く。
空海24歳の作。初め『聾瞽(ろうこ)指帰』(真蹟本は高野山金剛峯寺蔵)と題したが、入唐求法の後、辞句を訂正して題号を
改めた。
- 弘法大師全集3
- 護教部5
- 日本古典文学大系71