じしゅう
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時宗
日本における浄土宗の流れを受けた智真(一遍、1239~89)によって、1276(建治2)開かれた宗派で、遊行宗〈ゆぎょうしゅう〉とも称し、神奈川県藤沢の清浄光寺(遊行寺)を本山とする。浄土三部経中、特に阿弥陀経に依って宗義を立てるが、時宗の名は同経の〈臨命終時〉の文により、平生を臨終と心得えて念仏するという宗旨にもとづく。
この宗は開祖の行跡にならって全国を集団的に遊行し、勧進賦算するのが例であるが、布教には一般社会の伊勢神宮・熊野神社などの信仰を利用し、参詣者を教化した点、特色がある。智真の没後,第2世他阿が宗規を確立し、第五世安国の時、清浄光寺を本山とした。第12世尊観法親王が中興と称せられる。一時12派に分かれたが、現今は7派を存し、一宗の下に統一されている。