せそん

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世尊

lokanātha 路迦那他、bhagavat 婆迦婆

 仏の尊号の一つである。cf.十号
 仏はすべての徳を具足しているから、この世で尊重されるから、このように呼ばれる。また、世の中で独り尊いからである、とも言う。

 阿含経成実論では、このために仏号中の第十番目として、それまでの9つの意味を具足しているから世尊というのだとしている。涅槃経および大智度論では、「世尊」を十号の外に置く。

 福徳を具えた者の意。バガヴァットとは、ヴェーダ聖典においても叙事詩においても、弟子が師に対して「先生」と呼びかけるときのことばであるが、仏教はそれを採用したのである。後にゴータマ・ブッダが神格化されるにつれて、このバガヴァットという語も、著しく宗教的意味あるものとなり、漢訳仏典では世尊と訳されるようになった。仏はあらゆる功徳を具えて一切衆生を利益し、世に尊敬されるがゆえにこの名がある。

世尊初生

公案の一つ。

世尊 初めて生下し、一手は天を指さし、一手は地を指さして七歩周行、四方を観視して曰く、天上天下唯我独尊。雲門拈して云わく、我れ当時もし見ば一捧に打殺して狗子に与へて喫却せしめん、貴らくは天下太平ならんことを要す。     〔会元十五雲門章〕