てんだいさんだいぶ

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天台三大部

「法華三大部」ともいう。

 天台大師智顗鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』の註釈書である。

  1. 法華玄義』    玄旨を全仏教から総論した
  2. 法華文句』    経文を天台独自の教義で解釈した
  3. 摩訶止観』    法華経の精神に基づき全仏教の修証と禅観を止観の呼称でまとめた

以上の3書の呼称である。
 同じく智顗撰とされる『金光明経玄義』2巻、『金光明経文句』6巻、『観音玄義』2巻、『観音義疏』2巻、『観無量寿経疏』1巻の「五小部」に対していう。

 3書はいずれも「隋天台智者大師説、門人灌頂記」とされているように、583年頃から師にしたがい観法を受けた章安尊者灌頂(かんじょう)(560-632)が587年、27歳で光宅寺における智顗の法華経の講を聴受してより、593,4年の玉泉寺での玄義・止観の講述にいたる筆録を校訂再治したもので、文句などは69歳で添削したと自ら述べるように、幾度か修治され、異本も存したようである。このため智顗撰か灌頂撰かの疑義も生じている。しかし、玄義の中で灌頂が師の十徳を述べる中で

たとえ経意を得るも文字無くして楽説(ぎょうせつ)する師は他に無い

とし、金陵から荊州に前後補接して一編を聞くと述べている意図からして智顗撰と考えられる。

天台三大部(註釈書)=

 三大部の註釈は、中国天台第六祖荊渓湛然の『法華文句記』30巻、『法華玄義釈籤』20巻、『摩訶止観輔行伝弘決』40巻が最も後世に影響を及ぼした。
 日本では平安末期の証真撰『三大部私記』30巻をはじめ、江戸期の普寂撰『復真鈔』、痴空撰『講義』、大宝撰『講述』など、天台三大部として講ぜられたものが多い。