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のうさいん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

能作因

kāraṇa-hetu (S)

 「所作因」とも「随造因」ともいう。
 あらしめる因。あるものが生ずるとき、そのさまたげとならないもの。最も広い意味で因果関係を考えるときには、あらゆるものが互いに連関しているから、どのダルマも自ら以外のすべてのダルマを原因としている。
 そういう原因を能作因とよび、その意味での結果を増上果とよぶ。一つの結果が生起するとき、他のすべてのものがさまたげをなさないという点で、他のすべてのものが生ぜらるべき結果に対して原因となっているというのである。六因の一つ。

 果を作る因。結果を生じる原因。一切の現象的存在(有為)のなかで、ある一つの存在自体を除いた他のすべての存在がそれ自体を生じる能作因となる。それ自体が存続することに障害とならないという意味で能作因という。
 このような消極的な原因を「無力の能作因」あるいは「不障礙の能作因」という。これに対して積極的な能作因を「有力の能作因」あるいは「与力の能作因」という。