はっそうじょうどう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
八相成道
八相示現、八相作仏、釈迦八相、八相ともいう。釈迦牟尼仏が衆生を救うためにこの世界において八種のすがたを示したこと。
成道は八相の一であるが、さとりを開くということが八相の中心であるから、八相成道という。
これに種々の説がある。
- 下天・降兜率
前生の釈尊が兜率天から白象に乗ってこの世に降りて来る。光明を放ち、大地が震動し、悪魔はすがたを隠し、日月星辰も光を失い、天龍などの異類も驚怖し、五瑞を示す。 - 託胎・入胎
摩耶夫人の右脇から入って宿る。 - 降誕・出胎
4月8日に降誕。摩耶夫人の右脇から生まれ出て七歩あゆみ、「天上天下唯我独尊」と宣言する。 - 出家
無常を観じて、修行のため、白馬に乗って従者を従えて王宮から脱出する。 - 降魔
6年の苦行の後、菩提樹下で正覚に達しようとするのを知って、悪魔が行動の狭められるのを恐れ、あらゆる手段を尽くして釈尊の瞑想を邪魔する最も劇的な場面を展開する。悪魔の誘惑・恐喝をことごとく退散させる。 - 成道
臘月(12月)8日にさとりを開いてブッダ(仏陀)の位に至った。35歳で覚者となった。 - 転法輪・初転法輪
鹿野苑で5人の比丘に説法した。ついで教化の時代が45年間つづく。この間に種なの波乱があって、決して静穏な生涯ではなかった。 - 入涅槃・入滅
80歳でクシナガラ城外の沙羅双樹の下で、最後の説法を終わって亡くなった。2月15日と伝えられている。紀元前383年のことと考えられる。
- 入滅年については異説もある。4月8日・12月8日・2月15日などは日本の仏教でいうことで、インドや南アジアではすべて5月満月の日のウェーサク祭に含める。
これを通常、小乗の八相というが恐らく中国において起こった説であろう。
- 降魔を除いて住胎(母胎中にあって諸天のために説法)を加える。この説は大乗起信論に出ており、通常大乗の八相といわれる。