無諍三昧
無諍とは争いがないこと、すなわち心のなかの葛藤・迷いがないこと。また諍は煩悩の意にも解される。
三昧は梵語サマーディの音訳で、心が統一され、静かで安らかな状態を意味する。定・等持とも漢訳される。
- 無諍三昧の相は常に衆生を観じて、心をして悩せしめず、多く憐愍を行ず 〔大智度論巻11 T25-136c〕
- 一切の禅定を亦た定と名づけ、亦た三昧と名づく 〔大智度論巻28 T25-268b〕
とあり、三昧と禅定を同義語としている。
- 無諍とは、衆生を悩まさず、能く衆生をして煩悩を起こさざらしむ。故に仏これを讃す 〔金剛般若経論纂要 T33-161a〕