わに
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王仁
生没年不詳。古代の渡来人。和邇吉師(わににきし)ともいう。
『古事記』『日本書紀』には、応神(おうじん)天皇のとき百済王が王仁に『論語』10巻、『千字文』1巻をつけて貢進したとある。
王仁は高句麗(こうくり)に滅ぼされた楽浪(らくろう)郡の漢人系統の学者らしく、朝廷の文筆に従事した西文首(かわちのふみのおびと)の祖とされている。
一族は河内の古市(ふるいち)(大阪府羽曳野市)に居住し、文字の使用、普及に貢献した。
王仁は王氏と関係があると思われ、欽明(きんめい)・敏達(びだつ)朝に活躍した王辰爾(おうしんじ)もその後裔である。王の姓は楽浪出土の印章、漆器、封泥(ふうでい)、墓壁銘などに多く記されており、楽浪郡の有力豪族であったことが知られる。
『論語』『千字文』は基本的な典籍として用いられ、王仁は学問の祖とされた。