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基

窺基とも呼ばれる。中国、唐代初期の僧。慈恩大師のこと。

帰

　いくつかの術語に使われる「帰」「歸」には、中国の考え方と、仏教独自の考え方が渾然となっているので注意が必要である。

「よる」と読む。たよること、たのむ、よりすがる
　　よりたのむ。よりかかる。帰入の義。
帰すべきところ
帰着させる

機

はずみ、きっかけ

　根機、機縁などと熟語となって、本来自己の心性にあって、教法のために激発されて活動する心の働きをいう。

教えを受ける人

　如来に対しては、衆生のこと。教えを聞く人、法を聞いてさとるべき人。

機情の意味

　人間のこと。衆生、機類。

もののかなめ

　根本的な事柄。枢機・要機。

からくり

　しかけのこと。機関の意味で、機は関なり、宜なり、と解釈されている。

はたらき

　動作。機用、禅機の意味。

喜

prīti प्रीति(S)

　満足、喜楽、愛好、好意などを意味し、また欣慶、喜心、歓喜、愛楽などと漢訳される。

「喜」とは、能く身に柔軟を得、心に安穏を得せしむなり。　　　　〔十住毘婆沙論〕

忌

　ものいみ。命日や喪中などに、身心を慎むこと。

軌

　きまり。世俗の礼儀。

気

　風、または呼吸のこと。

記

しるし
いずれかに決定すること
善か悪かいずれか
将来、かならず成仏するに間違いない、と仏が与える予言。
通常「記別」「授記」として使われる。

鬼

　目に見えない死者の霊。または、餓鬼の略。

起

～を縁として起こること
現れ出ること。生起すること
縁起のこと

毀

　誹謗すること。もしくはそしる人。

器

bhājana

　うつわ。入れもの。食器。この意味から、修行に耐えて仏法を体得することのできる素質を持つ人のこと。
　山河・大地などの自然をまとめて器という。自然世界のこと。

　生きもの（有情）の身（所依）を容器に喩えて器という。たとえば多くの苦を受けるから有情の所依を苦器という。あるいは教え(法）を受けるに値する人を法器という。

pātra

　あることに値すること、あるいはそのような人。

　有る説者は受者が是れ器なるか非器なるかを知らずして軽爾に為に説いて、彼の受者をして、或いは軽慢を生じ、或いは怯怖を生じて空しく所得をなからしむ。

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-==基==
+=基=
-窺基(きき)とも呼ばれる。(chinese) Kui ji、[[632年]]-[[682年]]。
+[[きき|窺基]]とも呼ばれる。中国、唐代初期の僧。'''慈恩大師'''のこと。
-中国、唐代初期の僧。'''慈恩大師'''(じおんだいし)、または大乗基(だいじょうき)とも呼ばれる。本人は「基」と称している。長安で生まれたが、先祖は中央アジアの出身で、姓は尉遅、字は供道。<br>
+----
-[[げんじょう|玄奘]]について、その『成唯識論』の翻訳に参加、法相宗の開山となる。この論書に二つの註釈(『述記』『枢要』)をつくり、[[しんだい|真諦]]訳に代表される古い唯識説を批判し、新しい法相唯識の立場を宣揚した。高宗の勅によって、長安の大慈恩寺に住した。
-====三車法師====
-出家のはじめ、師の玄奘に誓って、女色と飲酒を断たぬことを条件とし、その出遊には、生涯酒と女と経典をのせる三車を連ねたことから、'''三車法師'''と呼ばれた。
-====慈恩大師像====
-日本の法相宗の本山[[やくしじ|薬師寺]]、[[こうふくじ|興福寺]]では忌日に慈恩会(じおんえ)を催している。両寺に遺る『慈恩大師像』は11世紀の作で平安時代の肖像画として貴重である。
-====主な著書====
-* 唯識述記(20巻)
-* 成唯識論枢要(4巻)
-* [[だいじょうほうおんぎりんじょう|大乗法苑義林章]](7巻)
-* 瑜伽論略纂(16巻）
 =帰=
 　いくつかの術語に使われる「帰」「歸」には、中国の考え方と、仏教独自の考え方が渾然となっているので注意が必要である。
-# 「よる」と読む。たよること、たのむ、よりすがる<br>よりたのむ。よりかかる。帰入の義。
+# 「よる」と読む。たよること、たのむ、よりすがる<br>　　よりたのむ。よりかかる。帰入の義。
 # 帰すべきところ
 # 帰着させる
+----
+=機=
+===はずみ、きっかけ===
+　根機、機縁などと熟語となって、本来自己の心性にあって、教法のために激発されて活動する心の働きをいう。
+===教えを受ける人===
+　'''如来に対しては、衆生のこと'''。教えを聞く人、法を聞いてさとるべき人。
+===機情の意味===
+　人間のこと。'''衆生'''、機類。
+===もののかなめ===
+　根本的な事柄。枢機・要機。
+===からくり===
+　しかけのこと。機関の意味で、機は関なり、宜なり、と解釈されている。
+===はたらき===
+　動作。機用、禅機の意味。
+----
+=喜=
+prīti प्रीति(S)
+　満足、喜楽、愛好、好意などを意味し、また欣慶、喜心、歓喜、愛楽などと漢訳される。
+:「'''喜'''」とは、能く身に柔軟を得、心に安穏を得せしむなり。　　　　〔十住毘婆沙論〕
+----
+=忌=
+　ものいみ。命日や喪中などに、身心を慎むこと。
+----
+=軌=
+　きまり。世俗の礼儀。
+----
+=気=
+　風、または呼吸のこと。
+----
+=記=
+# しるし
+# いずれかに決定すること
+# 善か悪かいずれか
+# 将来、かならず成仏するに間違いない、と'''仏が与える予言'''。<br>通常「記別」「授記」として使われる。
+----
+=鬼=
+　目に見えない死者の霊。または、餓鬼の略。
+----
+=起=
+# ～を縁として起こること
+# 現れ出ること。生起すること
+# 縁起のこと
+----
+=毀=
+　誹謗すること。もしくはそしる人。
+----
+=器=
+===bhājana===
+　うつわ。入れもの。食器。この意味から、修行に耐えて仏法を体得することのできる素質を持つ人のこと。<br>
+　山河・大地などの自然をまとめて器という。自然世界のこと。
+　生きもの（有情）の身（所依）を容器に喩えて器という。たとえば多くの苦を受けるから有情の所依を'''苦器'''という。あるいは教え(法）を受けるに値する人を'''法器'''という。
+===pātra===
+　あることに値すること、あるいはそのような人。
+:　有る説者は受者が是れ器なるか非器なるかを知らずして軽爾に為に説いて、彼の受者をして、或いは軽慢を生じ、或いは怯怖を生じて空しく所得をなからしむ。

「き」の版間の差分

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ（WikiDharma）』