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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
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体が無いこと。本体がないこと。実体として存在しないもの。本来的には存在しないもの。有体の対。<br> | 体が無いこと。本体がないこと。実体として存在しないもの。本来的には存在しないもの。有体の対。<br> | ||
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; 無事と言うは無体の性を謂う。毘婆沙師は此の釈を許さず。 | ; 無事と言うは無体の性を謂う。毘婆沙師は此の釈を許さず。 | ||
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+ | 立体的な大きさや形をもたないもの。たとえば、精神的な存在(心・心所)、あるいは非現象的な存在(無為)、あるいは表層の行為によって身中の深層に植え付けられ具体的に表層に表れず認識されえないもの(無表色)、あるいは意識のみの対象領域に収められる特別の物質(法処所摂色)などをいう。「無対礙」ともいう。 | ||
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+ | さまたげがないこと。 | ||
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+ | : 一切所知の境界に於て無滞にして無障なる無垢智が転ず。 | ||
+ | : 暫らく作意する時、一切に遍じて無礙にして速疾に無滞の智が転ず。 |
2020年5月15日 (金) 13:25時点における最新版
無体 ; 無體
aśarīra (S)
体が無いこと。本体がないこと。実体として存在しないもの。本来的には存在しないもの。有体の対。
三性でいえば、遍計所執性が無体、依他起性と円成実性とが有体である。〔瑜伽師地論74、T30-705c〕
- 無事と言うは無体の性を謂う。毘婆沙師は此の釈を許さず。
無対
apratigha; apratighatva; apratighavat: apratighātin (S)
立体的な大きさや形をもたないもの。たとえば、精神的な存在(心・心所)、あるいは非現象的な存在(無為)、あるいは表層の行為によって身中の深層に植え付けられ具体的に表層に表れず認識されえないもの(無表色)、あるいは意識のみの対象領域に収められる特別の物質(法処所摂色)などをいう。「無対礙」ともいう。
無滞
asakta: asńga (S)
さまたげがないこと。
- 一切所知の境界に於て無滞にして無障なる無垢智が転ず。
- 暫らく作意する時、一切に遍じて無礙にして速疾に無滞の智が転ず。