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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
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めったにないこと。まれなこと。中国の古典には、『漢書』(王莽伝)、『論衡』(超奇)、『晋書』(張華伝)など多くの用例が見える。漢訳仏典においても、[[むりょうじゅきょう|無量寿経]](巻上)や[[ほけきょう|法華経]](序品)などに、漢語本来の意味をそのまま踏襲して使われている。 | めったにないこと。まれなこと。中国の古典には、『漢書』(王莽伝)、『論衡』(超奇)、『晋書』(張華伝)など多くの用例が見える。漢訳仏典においても、[[むりょうじゅきょう|無量寿経]](巻上)や[[ほけきょう|法華経]](序品)などに、漢語本来の意味をそのまま踏襲して使われている。 | ||
日本での用い方もほぼ同義である。まれで珍しいことから、奇異に思う、不思議だという語感が強くなって、人智を越えるものという意味で、仏神や変化(へんげ)の所業に対する評語として用いられる。なお、『今昔物語集』などでは、再三「希有の事なれば如此く語り伝へたるとや」などと注記して、希有なることを説話伝承の一要件としている。 | 日本での用い方もほぼ同義である。まれで珍しいことから、奇異に思う、不思議だという語感が強くなって、人智を越えるものという意味で、仏神や変化(へんげ)の所業に対する評語として用いられる。なお、『今昔物語集』などでは、再三「希有の事なれば如此く語り伝へたるとや」などと注記して、希有なることを説話伝承の一要件としている。 | ||
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それ自体で実在することを[[じつう|実有]]といい、実在しないものが因縁の和合によって仮に有ることを'''仮有'''という。 | それ自体で実在することを[[じつう|実有]]といい、実在しないものが因縁の和合によって仮に有ることを'''仮有'''という。 |
2024年1月9日 (火) 17:01時点における最新版
希有
adbhuta (S)
めったにないこと。まれなこと。中国の古典には、『漢書』(王莽伝)、『論衡』(超奇)、『晋書』(張華伝)など多くの用例が見える。漢訳仏典においても、無量寿経(巻上)や法華経(序品)などに、漢語本来の意味をそのまま踏襲して使われている。
日本での用い方もほぼ同義である。まれで珍しいことから、奇異に思う、不思議だという語感が強くなって、人智を越えるものという意味で、仏神や変化(へんげ)の所業に対する評語として用いられる。なお、『今昔物語集』などでは、再三「希有の事なれば如此く語り伝へたるとや」などと注記して、希有なることを説話伝承の一要件としている。
仮有
それ自体で実在することを実有といい、実在しないものが因縁の和合によって仮に有ることを仮有という。