「しきかいじゅうしちてん」の版間の差分
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以下の三天は第三禅に属す。 | 以下の三天は第三禅に属す。 | ||
− | ;7 少浄天(parītta-śubhāḥ devaḥ):浄とは意識が感じる楽な感受作用で、これら三天のなかで浄が最も少ないからこのように呼ぶ。 | + | ; 7 少浄天(parītta-śubhāḥ devaḥ):浄とは意識が感じる楽な感受作用で、これら三天のなかで浄が最も少ないからこのように呼ぶ。 |
− | ;8 無量浄天(apramāṇa-śubhāḥ devaḥ):浄が増大し計りしれないほどの浄がある天。 | + | ; 8 無量浄天(apramāṇa-śubhāḥ devaḥ):浄が増大し計りしれないほどの浄がある天。 |
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これより以下の八天は第四禅に属す。 | これより以下の八天は第四禅に属す。 | ||
;10 無雲天(anabhrakāḥ devaḥ):雲とは諸の天が密集しているさまをいい、この天より上にはこのような諸天の密集がないからこのようにいう。 | ;10 無雲天(anabhrakāḥ devaḥ):雲とは諸の天が密集しているさまをいい、この天より上にはこのような諸天の密集がないからこのようにいう。 |
2018年8月5日 (日) 16:09時点における版
色界十七天
色界にある次の17の天。
- 1 梵衆天(brahma-kāyikāḥ devāḥ)
- 大梵天に属する天。
- 2 梵輔天(brahma-purohitāḥ devaḥ)
- 大梵天の前に行列して補佐する天。梵前益天ともいう。
- 3 大梵天(mahā-brahma-deva)
- 偉大な梵天。梵天の統括者。梵衆天・梵輔天・大梵天の3者をまとめて梵天という。また普通には梵天といえばこの大梵天をいう。
以上の三つは初禅にある天。
以下の三つは第二禅にある天。
- 4 少光天(parītta-ābhāḥ devaḥ)
- これらのなかで光明が最も少ないからこのようにいう。
- 5 無量光天(apramāṇa-ābhāḥ devaḥ)
- その量が計りがたいほどの光明がある天。
- 6 極光浄天(ābhās-varāḥ devaḥ)
- 極めて清らかな光明が普く照らす天。極浄光天・光音天ともいう。
以下の三天は第三禅に属す。
- 7 少浄天(parītta-śubhāḥ devaḥ)
- 浄とは意識が感じる楽な感受作用で、これら三天のなかで浄が最も少ないからこのように呼ぶ。
- 8 無量浄天(apramāṇa-śubhāḥ devaḥ)
- 浄が増大し計りしれないほどの浄がある天。
- 9 遍浄天(śubha-kṛtsnāḥ devaḥ)
- 浄が遍くいきわたった天。
これより以下の八天は第四禅に属す。
- 10 無雲天(anabhrakāḥ devaḥ)
- 雲とは諸の天が密集しているさまをいい、この天より上にはこのような諸天の密集がないからこのようにいう。
- 11 福生天(puṇya-prasavāḥ devaḥ)
- 福を積んだ凡夫が生じる天。
- 12 広果天(bṛhat-phalāḥ devaḥ)
- 凡夫において最も勝れた果報として生まれる天。無想天はこの広果天の一部をなす。
- 13 無煩天(abṛhāḥ devaḥ)
- 心に煩擾がなく寂静の楽を感じる天。欲を離れた聖者が聖道の水で汚れをぬぐう天。
これより以下の5天をまとめて浄居天という。
- 14 無熱天(atapāḥ devaḥ)
- 心に熱悩がなく清涼の楽を感じる天。
- 15 善現天(sudṛśāḥ devaḥ)
- 禅定を修することによって得られる善がはっきりと顕現する天。あるいは、この天の身姿は端正で美しいから善現天という。
- 16 善見天(sudarśanāḥ devaḥ)
- 心に汚濁がなくなり清らかに善く見ることができる天。あるいは、この天の身姿が妙好で人びとが見ることを欲するから善見天という。
- 17 色究竟天(akaniṣṭhāḥ devaḥ)
- 色界の天のなかで最高に勝れている天。阿迦膩瑟據天と音写。
なお広果天に含める無想天を別に立てて色界の天を18とし、まとめて色界十八天という場合もある。
cf. 『倶舎』8、T29-41a : 『瑜伽』4、T30-295a