ふえこう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
2022年7月13日 (水) 15:33時点におけるマイコン坊主 (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「=不回向= 本来は、浄土往生の行ではない雑行(念仏以外の行)は、回向しなければ往生行とはならないが、称名念仏(選択本...」)
不回向
本来は、浄土往生の行ではない雑行(念仏以外の行)は、回向しなければ往生行とはならないが、称名念仏(選択本願の念仏)は阿弥陀仏が往生行として選定した行であるから、回向する必要がないということ。
法然聖人は『選択集』に
- 第四に不回向回向対といふは、正助二行を修するものは、たとひ別に回向を用ゐざれども自然に往生の業となる。〔選択集 p.1197〕
と述べている。親鸞聖人は、この説をうけて、回向の主体を行者ではなく阿弥陀仏とする他力回向(本願力回向)の教説を確立した。『行巻』には
- これ凡聖自力の行にあらず。ゆゑに不回向の行と名づくるなり。〔行巻 p.186〕
とある。『正像末和讃』には
- 真実信心の称名は 弥陀回向の法なれば 不回向となづけてぞ 自力の称念きらはるる〔正像末和讃 p.607〕
とあり、『国宝本』の左訓には
- 行者の回向にあらずとしるべしとなり
とある。