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源左

因幡の源左とは、浄土真宗の教えを日常に体現した妙好人のうちの一人であり、本名を足利喜三郎という鳥取県青谷町に在住した農民である。 1842年天保13年4月18日生 1930年昭和5年2月20日没　享年89歳 幼名　源左衛門

　18歳の頃、父親と死別する際に、遺言で「おらが死んだら、親様をたのめ」といわれ、寺に参り法話を聴聞し始める。ある日、山へ牛とともに草刈に出かけ、五束の草を刈り取って、四束を牛に担がせて一束を自分で担いで帰ろうとしていたが、重くなってその一束も牛に担がせたとき、阿弥陀仏にすべてを任せると良いのだということに気づき、信心をいただいたという。

　彼の人生は父親が亡くなった後も苦難が多く、息子二人が精神的に弱かったり、火災にあったりしたが、それを苦にすることもなく、飄々とした人生を歩んだ。
　彼が著名になったのは、強盗が集金した金を盗ろうとした時、延々と諭しながら歩き、ついに盗れなかったことを警察で話した、その話題が新聞に載ったことからであった。また、納税の推進や祖父母の養育などで緑綬褒章を受けている。

　彼の言葉は、浄土真宗の法味に富んでおり、のちに聞書が多数出版されることとなる。

　ある日、突然の雨にあって帰り、住職に「えらいめにあったのお」と言われて、「鼻が下に向いて付いているでありがたい」と言ったと言う。
　彼の口癖は「ようこそようこそ　さてもさても」というものであったという。その意味は、この私をたすけるとよくぞ誓ってくださった、さてもありがたい、というほどのものであろう。

　手次の寺は、鳥取県青屋町の浄土真宗本願寺派願生寺。