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しじゅうき

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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四住期

 インドで人生の時期を4つに分ける人生感。
 人生期のようなものを意識した最古の文献は、おそらく『チャーンドーギャ・ウパニシャッド』(前8世紀)であろう。そこにはつぎのように説かれている。

 三つの法(社会的義務、正義)の領域がある。供犠とヴェーダの学習と布施とが第一である。苦行こそ第二である。つねに師の家で自分を苛承ながら、学生として師の家に居住する者は第三である。これらすべては、功徳の世界を有する(手に入れる)者たちとなる。ブラフマン(宇宙の根本原理)に安住する者は不死に赴く。〔『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』2・23・1〕

 このうち、第一の法の領域のうち、供犠と布施とは、のちにいう家住期に属すると見ることができる。第一の法の領域のうちにあるヴェーダの学習と第三の法の領域とは、のちにいう学生期に属すると見ることができる。第二の法の領域である苦行は、具体的なイメ-ジとしては、人里離れたところで苦行に励む聖仙たちの生活徳目であろうが、のちにいう林棲期に属すると見ることができる。
 さて、これら三つの法の領域を実践する人々は、「功徳の世界を有する者たち」となるとある。そしてその直後に、「ブラフマンに安住する者は不死に赴く」という一文が続く。このウパニシャッドにたいする現存最古の注釈書を著したのは、8世紀の不一二元論(幻影論)学派の開祖シャンカラである。彼の注釈の趣旨と、彼よりもはるか以前に編纂された法学(ダルマ・シャーストラ)の最大の成果『マヌ法典』の記述とを照合すれば、「第一」が家住期に、「第二」が林棲期に、「第三」が学生期に属するものであると解釈されていることがわかる。この三者が得るものは「功徳の世界」であり、そして、最後の者が得るものは「不死」である。前三者は世俗の世界の住人であり、最後の者は世俗を超越した者である。

  1. 学生期
     ヴァルナ(階級)ごとに定められた年齢に入門式(社会の正式な成員となる通過儀礼)を行い、師のもとでヴェーダの暗唱に専心する。学生は、この期間、異性との性的な関係を持たない不犯の生活(梵行)を送らなければならない。
  2. 家住期
     結婚し、子供(とくに男子)をもうけ、家業に励んで富の蓄積をはかり、さまざまな祭祀の施主となり、祭官であるバラモンたちに気前よく報酬を支払わなければならない。
  3. 林棲期
     息子に家督を譲り、人里離れたところに庵を結び、瞑想や苦行など、宗教的な生活に専心する。
  4. 遊行期
     死期の遠からぬことを自覚したならば、無一物で乞食遊行の生活に入り、輪廻からの解脱を目指す。